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アンドレアス・ホーファーの歌
(Andreas-Hofer-Lied)
皇紀2665年10月29日更新

作詞:ユリウス・モーゼン(Julius Mosen) 1831年
作曲:レオポルト・クネーベルスベルガー(Leopold Knebelsberger) 1844年

 

音源

mp3
1.
忠烈なるホーファーは
捕縛されマントゥアへと赴けり。
寇賊らは処刑の為め
ホーファーをマントゥアへと拉くなり。
噫!この屈辱と苦悩に
全ドイツの同胞は断腸の思ひぞ。
チロルの州(くに)はホーファーと共に。
チロルの州はホーファーと共に。
1.
Zu Mantua in Banden
Der treue Hofer war,
In Mantua zum Tode
F
ührt ihn der Feinde Schar.
Es blutete der Br
üder Herz,
Ganz Deutschland, ach in Schmach und Schmerz.
|: Mit ihm das Land Tirol,
   Mit ihm das Land Tirol. :|
2.
後手に縛られたる
宿場の主ホーファー、
その跫音や揺ぎ無し。
死神を州都イーゼルベルクより
谷間へと幾度葬りしホーファーに
死の訪れは勿かりしを。
聖なる州チロルにては勿かりしを。
聖なる州チロルにては勿かりしを。
2.
Die H
ände auf dem Rücken
Der Sandwirth Hofer ging
Mit ruhig festen Schritten,
Ihm schien der Tod so gering,
Der Tod, den er
 so manchesmal
Vom Iselberg geschickt ins Tal
|: Im heil'gen Land Tirol,
   Im heil'gen Land Tirol. :|
3.
堅固なるマントゥアの牢獄。
その格子戸より
忠実なる戦友らの
援けんと手を伸ばすを見るも、
ホーファーは叫べり「神の加護あれ!
諸君と欺かれしドイツ帝国、
そしてチロル州に」と。
そしてチロル州に」と。
3.
Doch als aus Kerkergittern
Im festen Mantua
Die treuen Waffenbr
üder
Die H
änd´ er strecken sah,
Da rief er laut: Gott sei mit euch,
Mit dem verratnen Deutschen Reich,
|: Und mit dem Land Tirol,
   Und mit dem Land Tirol." :|
4.
仏軍に災殃あれ。
我らチロルに加護あらん事を。
宿屋の主ホーファーは今ぞ
陰鬱なる門を出でてゆく。
牢獄にては尚ほ不如意ならざりしも
彼の稜堡の上 厳乎と聳起せり。
チロルの男児は聳起せり。
チロルの男児は聳起せり。
4.
Dem Tambour will der Wirbel
Nicht unterm Schl
ägel vor,
Als nun der Sandwirth Hofer
Schritt durch das finstre Tor.
Der Sandwirth noch in Banden frei
Dort stand er fest auf der Bastei
|: Der Mann vom Land Tirol,
   Der Mann vom Land Tirol. :|
5.
膝を枉げられんとせし折
ホーファー曰く「誰ぞ跪くべき!
嘗て起ちて戦ひし如く
今この堡塁に立つが如く
我は屹立して死なん!
我らがフランツ大帝万歳、
御辺にチロルの州あり!」と。
御辺にチロルの州あり!」と。
5.
Dort soll er niederknien,
Er sprach: das tu
´ ich nit!
Will sterben, wie ich stehe,
Will sterben, wie ich stritt,
So wie ich steh
´ auf dieser Schanz,
Es leb mein guter Kaiser Franz,
|: Mit ihm sein Land Tirol!
   Mit ihm sein Land Tirol!" :|
6.
而てホーファーの腕より
下士官が縛りを解きて
宿屋の主ホーファーは
今際の祈りを茲に捧げたり。
然後叫ぶらく「すは我が身を貫け。
疾く撃て!痴れ者共よ的はここぞ!
さらば、我が州チロルよ!」
さらば、我が州チロルよ!」
6.
Und von der Hand die Binde
Nimmt ihm der Korporal,
Und Sandwirth Hofer betet
Alhier zum letzten Mal.
Dann ruft er: nun so trefft mich recht.
Gebt Feuer! - Ach, wie schie
ßt ihr schlecht!
|: Ad
é, mein Land Tirol!
   Adé mein Land Tirol! :|

 

<備考>

[1.曲について]
 ドイツ圏の草創期愛国歌の例に漏れず、この歌もナポレオン戦争関連で生まれた歌です。ナポレオンのドイツ遠征で敗北したオーストリアは支配下にあったチロルを、ナポレオンの同盟国バイエルンに割譲する事になりました。1809年のことです。

 このバイエルンの支配は苛烈だったようで、同じ1809年にこの歌で歌われている宿屋の主アンドレアス・ホーファーを中心とした蜂起が発生。フランス・バイエルン軍を撃破してチロルを一時解放するに至ります。ところがこれを鎮圧するために追加派遣されたフランス軍の前に敗退し、ホーファーも一端逃走するも最終的には捕縛されてしまいます。結局ホーファーは蜂起の咎で処刑される事で、この反乱は終息します。

 この歌は、捕縛から処刑までのホーファーを歌った愛国歌となっています。作詞は1831年で、作曲は1844年です。すでに1813年にナポレオンは諸国民戦争で敗退していますから、その後ということになります。なお歌詞にはドイツ語以外にラテン語版も存在します。

 このホーファーはフランスの支配に抵抗した人物としてチロルのみならず、オーストリアでは今も英雄として扱われています。その為か、この歌は現在オーストリアのチロル州の州歌として制定されているそうです。こんな処刑の歌が州歌でいいのかという気もしますが。

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[2.訳について]
 幾つか用語の説明を。「イーゼルベルク」はチロルの州都。「フランツ」は神聖ローマ帝国皇帝(のちオーストリア帝国皇帝)フランツ二世のこと。「神よ、皇帝フランツを護らせ給へ」のフランツと同一人物です。

 次に原文について。「das tu´ ich nit!」これは省略があって面倒ですがおそらく「das tue ich nicht!」で、「私はそれをしない」という意味。要するに「誰が跪くものか!」ということです。

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[3.音源情報]
 mp3。全番。チロル州の公式ページにも演奏のみの音源があります。また戦後録音もあります。

 

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