ドイツ国歌 |
作詞:ハインリッヒ・ホフマン・フォン・ファラースリーベン(Heinrich Hoffmann von Fallersleben) |
[訳文・解説] [原典・楽譜] |
| 1. ドイツよ、全てに冠たる、 世界に冠たる我がドイツよ! マース川からメーメル川、 エッシュ川からベルト海峡まで 護りの為めに いつも 兄弟の如く団結せば ドイツよ、汝は全てに冠たる、 世界に冠たる我がドイツなり! |
1. Deutschland, Deutschland über alles, Über alles in der Welt, Wenn es stets zu Schutz und Trutze Brüderlich zusammenhält, Von der Maas bis an die Memel, Von der Etsch bis an den Belt - |: Deutschland, Deutschland über alles, Über alles in der Welt. :| |
| 2. ドイツの女、ドイツの誠、 ドイツの酒にドイツの歌よ。 その古への調べを 宇内に保持し、 この身命ある限り、 我らを弥貴き業へと赴かせよ。 ドイツの女、ドイツの誠、 ドイツの酒にドイツの歌よ。 |
2. Deutsche Frauen, deutsche Treue, Deutscher Wein und deutscher Sang Sollen in der Welt behalten Ihren alten schönen Klang, Uns zu edler Tat begeistern Unser ganzes Leben lang. |: Deutsche Frauen, deutsche Treue, Deutscher Wein und deutscher Sang. :| |
| 3. 団結と権利と自由を 祖国ドイツの為に! 我ら兄弟の如く挙りて その為に努めようぞ! 団結と権利と自由こそ 幸福の証しなれ。 この幸福のもと栄光あれ、 栄光あれ、祖国ドイツよ! |
3. Einigkeit und Recht und Freiheit Für das deutsche Vaterland! Danach laßt uns alle streben Brüderlich mit Herz und Hand! Einigkeit und Recht und Freiheit Sind des Glückes Unterpfand. |: Blüh' im Glanze dieses Glückes, Blühe, deutsches Vaterland. :| |
| 4. ドイツよ、全てに冠たる、 艱難の時も真に正しきドイツよ。 艱難の時とても 愛は 己が強さと清さの程を示さん。 かくて歴史から歴史へと ドイツはこれぞと遍く報らすなり。 ドイツよ、全てに冠たる、 艱難の時も真に正しきドイツよ。 |
4. Deutschland, Deutschland über alles, Und im Unglück nun erst recht. Nur im Unglück kann die Liebe Zeigen, ob sie stark und echt. Und so soll es weiterklingen Von Geschlechte zu Geschlecht: |: Deutschland, Deutschland über alles, Und im Unglück nun erst recht. :| ) |
| 3. 祖国ドイツの為の 権利、団結、自由。 我らは全身全霊で 兄弟の如くしてこれらを目指そう! 権利、団結、自由は 幸福の証し達である。 [この]幸福の光の中で栄光あれ、 汝、祖国ドイツよ! (文法上の註) |
3. Ius, concordia, libertas イウース、コンコルディア、リーベルタース Pro Germana patria, プロー ゲルマーナ パトリア Haec fraterne nos petamus ハエク フラーテルネー ノース パタームス Dextra atque anima! デクストラー アトクエ アニマー! Ius, concordia, libertas イウース、コンコルディア、リーベスタース Sunt salutis pignora, スント サルーティス ピグノラ、 Flore in salutis luce フローレ イン サルーティス ルーケ Tu, Germana patria! トゥ、 ゲルマーナ パトリア! |
<備考> |
[1.曲について] 曲はハイドン作曲のオーストリアの国歌「神よ、皇帝フランツを護らせ給え」から流用したもの。詩は1841年に書かれました。当時はまだ第二帝国成立以前であり、「ドイツ」というのは仮想の存在でした。それゆえ、歌詞の内容は「ドイツ諸邦が団結すれば世界で一番」という意味であり、あくまでドイツの統一に主眼が置かれたものでした。しばしば解釈されるように、覇権主義的な意味をもっていたわけではありません。 - この歌はヴァイマール共和国から第三帝国にかけて国歌として歌われてきましたが、戦後、東独は新国歌を採用(「廃墟より甦れ」)、西独は3番のみを国歌としました。1番は領土を表記している問題、2番は「ドイツの女」という部分が男女平等に反する、というのがそれぞれ不採用となった理由とされます。東西統一後は、西独の国歌が現ドイツの国歌として受け継がれました。 国歌として1、2番は不採用になったとはいえ、この歌詞自体は第三帝国と元来無縁のものですから歌唱や録音が禁止されているわけではありませんし、1,2番を復活してよいという主張もドイツ国内ではあるようです。逆に3番含めて廃止せよ、という主張もあるようですが。 - なお、上掲の「幻の4番」ですが、これは第一次大戦後のフランスによるルール占領の際に、アルベルト・マッタイという人物によってつくられたものだそうです。「艱難の時」とはあの時代のドイツの混乱を指している訳です。1934年に発行されたナチスの歌集にはこの4番も掲載されているので、当時は比較的に有名なものであったと考えられます。 また、この歌の3番にはラテン語のバージョンもあります。3番しかないところからして、戦後につくられたものなのでしょう。 - <関連ページ> <参考関連文献> - [2.訳について] (1)ドイツ語 1番のはじめ、もっとも有名な部分。 Deutschland,
Deutschland über
alles, 基本的な構造は次の通り。主節は「Deutschland, Deutschland über alles, 問題は「Von der Maas bis an die Memel, Von der Etsch bis an den Belt」の文をどう理解するかです。幾つかパターンがあるかと思います。 ・先ずWenn節に含むパターン。これは上掲の訳で採用しているものです。意味としては「マース河から[...]ベルト海峡まで防衛に当たって兄弟の如くに団結すれば」となります。 ・次に「Von」の文を前後とは独立したものとして理解するパターン。意味はそのままですね。 ・最後に三つ目は、末文の「|: Deutschland, Deutschland über alles, Über alles in der Welt. :| 」の「Deutschland」に同格としてかけて理解するパターン。意味としては、「マース河から[...]ベルト海峡までのドイツは、世界の全てのものに冠たるドイツである」となります。 これらパターンからひとつを選ぶ基準は、コンマやプンクトの使い方に拠るでしょう。どこで文をくぎるかによって判別できるという事です。しかしながら現状ではどうもコンマの使い方は一定していないように思います。それ故、どの解釈が優先されるかは判断できないのではないでしょうか。文献学的な調査に基く資料が俟たれます。 ただどれを選ぶにせよ、言いたい事はドイツの範囲が「マース河から[...]ベルト海峡まで」だという事です。 以上の解釈は、とーま様のご指摘からなるものです。貴重なご指摘に感謝いたします。 (2)ラテン語 ドイツ語の3番と内容は殆ど一緒です。細かい註は上に書きましたので、それ以外のことを。 日本でラテン語読める人は少ないと思うので、凡その日本語の読みも書いておきました。読みは古典ラテン語(カエサル、キケロの頃。一番標準とされる時期)によるものです。ただしラテン語は死語ゆえに欧州各国では自国の発音に引き付けて読むのが常態化しています。ですからドイツ人が必ずしもこう読むわけではありません。 あと詩だと韻その他の都合上、長短音に変化が生じる可能性がありますが、私はそれに対応できる知識がない(忘却の彼方)ので放置してあります。 なお、上の訳ではドイツ語の訳との対比を考え、意訳せずに直訳風にしました。「団結、権利、自由」の順番が微妙に代わっていたりして面白いです。 - [3.音源情報] 皇紀2665年8月5日更新、11日ラテン語和訳追加 |
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