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フリードリヒ大王の歌
Fridericus Rex, unser König und Herr
1838

作詞:ヴィリバルト・アレクシス(Willibald Alexis) 1829
作曲:カール・レーヴェ(Carl Loewe) 1838

 

音源:外部リンク

1.
我らが主、フリードリヒ大王が
麾下の兵らに銃執れと宣らし給へば、
千の陣にて二百個中隊の
擲弾兵らみな六十の薬莢を執るなり。
1.
Fridericus Rex, unser K
önig und Herr,
Der rief seine Soldaten allesamt ins Gewehr;
|: Zweihundert Batallions und an die tausend Schwadronen,
   Und jeder Grenader kriegt sechzig Patronen. :|
2.
「かの忌々しい輩ぞ」至聖の仰せらく、
「戦ひにては雄々しき姿を見せよ!
余が領なるシュレジエンにグラッツ伯領、
余が宝なる民をば奴らの認めざればなり。」
2.
Ihr verfluchten Kerls," sprach Seine Majest
ät,
"Da
ß jeder in der Bataille seinen Mann mir steht!
|: Sie g
önnen mir nicht Schlesien und die Grafschaft Glatz
   Und die hundert Millionen in meinem Schatz." :|
3.
「マリア・テレジアはフランスと盟約し、
神聖ローマ帝国は余に抗せり。
ロシアはプロイセンに迫り来る、
いざ我ら、勇猛の民なるを示せ!」
3.
"Die Kais'rin hat sich mit den Franzosen alliiert
Und das r
ömische Reich gegen mich revoltiert;
|: Die Russen seind gefallen in Preu
ßen ein;
   Auf, laßt uns sie zeigen, daß wir brave Landeskinder sein!" :|
4.
「シュヴェーリン大将、カイト元帥、
ツィーテン少将らみな戦備万端。
おお、イスラム勢も雷神も十字軍も
未だフリードリヒ軍の力は知らざるなり!」
4.
|"Meine Generale Schwerin und der Feldmarschall von Keith
Und der Generalmajor von Ziethen seind allemal bereit,
|: Potz, Mohren, Blitz und Kreuzelement,
   Wer den Fritz und seine Soldaten noch nicht kennt!" :|
5.
いざさらばルイーゼ。面輪を拭ひ給へ!
弾丸なぞ当たりはせぬ!
敵軍の狙ひは全て的外れぞ、
彼奴らの出はそもいづくかをば思へかし。
5.
Nun adj
ö, Luise, wisch ab das Gesicht!
Eine jede Kugel, die trifft ja nicht!
|: Denn tr
äf' jede Kugel apart ihren Mann,
   Wo kriegten die Könige ihre Soldaten dann? :|
6.
小銃の弾丸は小孔を為し、
火砲の弾丸は大壙を為す。
鉄と鉛より成る弾丸全て
幾多の者らに雨と降る。
6.
Die Musketenkugel macht ein kleines Loch;
Die Kanonenkugel macht ein weit gr
ößeres noch;
|: Die Kugeln sind alle von Eisen und Blei,
   Und manche Kugel geht manchem vorbei. :|
7.
我らに秀抜の火砲ありて、
プロイセンより敵に走る者なし。
極寒の地にあるスウェーデンの民、
誰が知らん、オーストリアの沃野を。
7.
Unsre Artillerie hat ein vortreffliches Kaliber,
Und von den Preu
ßen geht keiner zum Feind nicht über;
|: Die Schweden, die haben verflucht schlechtes Feld;
   Wer weiß, ob der Östreicher besseres hält. :|
8.
仏軍は奢侈品を兵らに支給すとも
我らは常にドイツ硬貨もて戦はん。
おお、イスラム勢も雷神も十字軍も
プロイセンの深謀遠慮を疾く知らなん。
8.
Mit Pomade bezahlt den Franzosen ihr K
önig;
Wir kriegen's alle Wochen bei Heller und Pfennig.
|: Potz, Mohren, Blitz und Kreuzsakrament,
   Wer kriegt so prompt wie der Preuße sein Traktement! :|
9.
我らが主、フリードリヒ大王に月桂冠を!
君が侵寇攘ひし幾度の勲功なかりせば、
我らが英雄、フリードリヒ大王よ、
奈何で外夷を撃攘する事果たせしや!
9.
Friedricus, mein K
önig, den der Lorbeerkranz ziert,
Ach h
ättest du nur öfters zu plündern permittiert.
|: Friedericus Rex, mein K
önig und Held,
   Wir schlügen den Teufel für dich aus der Welt! :|

 

<備考>

[1.曲について]
 プロイセン王フリードリヒ二世、いわゆるフリードリヒ大王を歌った歌です。この歌詞の内容を理解するには当時の欧州情勢についての知識が必要となります。

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 フリードリヒ大王は1700年代の人なので、フランス革命の以前であり、当然ナポレオンより先行する人物です。当時の欧州は、二大強国のブルボン朝フランス王国とハプスブルク家が事実上世襲する神聖ローマ帝国があり、その他プロイセンの東にはロシア帝国、南のバルカン半島にはオスマントルコ帝国が進出していました。

 大王の父、フリードリヒ一世は必要以上に軍隊を増強した人物で、宮殿の庭を潰して錬兵場にした事は有名です。大王は幼少の折、そんな野蛮な父を嫌って先進国フランスの文化に親しむ事頻りだったのですが、いざ自身が国王に即位した後はフランス的な教養を持ちつつも、相続した強大な軍隊を持って他国に兵を進めるという政治を採りました。

 先ず手始めにオーストリア継承戦争(1740〜1748年)に介入してマリア・テレジアが治める神聖ローマ帝国(オーストリア)に戦争を吹っかけ、シュレジエンを奪取する事に成功します。

 ところがこの復讐に燃えるマリア・テレジアは伝統的に対立関係にあったフランスと盟約し、さらにはロシアも味方に引き入れてプロイセンに宣戦します。これが七年戦争(1756〜1763年)なのですが、大王もまさか対立関係にあったフランスとオーストリアが結ぶとは思っていなかったらしく、相当困ったようです。

 事実、戦争も困難を極めました。とはいえこれだけの大国を相手にプロイセンはよく戦ったのです。そして奇跡が起こります。首都に敵軍が迫る危機的状況のさなかロシア女帝エリザベータが死亡してロシアが撤兵。他国もこれを気に疲弊していた自軍を撤退させ、和議に至りつくのです。

 第二次大戦末期のヒトラーがこの奇跡が自分にも訪れるよう願っていたのはご存知かもしれません。まあ実際のところ、ルーズヴェルトは死にましたけど、戦争が終結することはなかったわけですが。

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 この歌の歌詞もこの辺の事情を歌ったものです。作詞されたのは1829年とだいぶ後なので英雄懐古といったところでしょうか。

<参考関連文献>
フリードリヒ大王の歩兵―鉄の意志と不屈の陸軍
オーストリア軍の歩兵1740‐1780―マリア・テレジアの軍隊

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[2.訳について]
 意味不明な固有名詞が多すぎ・・・ しかもドイツ語のほかにフランス語やラテン語、スウェーデン語まで混じってる始末。あまりにも謎の単語が多いので、ひとつひとつあげるのは止して置きます。ただ妄想で補った箇所が多いというのは留意ください。

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[3.音源情報]
 輸入CDSOLDATEN, HELDEN, VATERLAND」に全番歌唱のものが収録されています。

 また、掲示板で美麗島のニートA様より、ウェブ上の音源について教えていただきました。情報提供、ありがとうございます。

皇紀2665年12月14日更新
2008年7月8日追補

 

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