鉤十字の歌(Das Hakenkreuzlied) |
作詞:プファラー・オットカール・ケルンシュトック(Pfarrer Ottokar Kernstock) |
[訳文・解説] [原典・楽譜] |
音源 |
mp3 |
| 1. 鉤十字は、紅蓮の表(おもて) 真白き地に著(しる)くありて 隈なく宇内に不羈として 朗らな報せを与ふ。 この徴の下に集へるは、 精魂、信念あるドイツ人ぞ。 ただ言葉もて集ふにあらず。 |
1. Das Hakenkreuz im weißen Feld Auf feuerrotem Grunde Gibt frei und offen aller Welt Die frohgemute Kunde Wer sich um dieses Zeichen schart Ist deutsch mit Seele, Sinn und Art |: Und nicht bloß mit dem Munde :| |
| 2. 鉤十字は、紅蓮の表 真白き地に著くありて、 危難の秋に 民族の旗標と選ばれぬ。 熾しき疾苦に呻吟し 祖国は助けを求め叫べり。 そは比類なき死の痛み。 |
2. Das Hakenkreuz im weißen Feld Auf feuerrotem Grunde Zum Volksmal ward es auserwählt In ernster Schicksalsstunde Als unter Schmerzen heiß und tief Das Vaterland um Hilfe rief |: Das teure todeswunde :| |
| 3. 鉤十字は、紅蓮の表 真白き地に著くありて、 我らに堂々の勇武を附与す。 団結は鼓舞され、 卑劣なる背信の徒は一人もなし。 我ら死と悪魔とを怖れず、 神の我らと共にあればなり。 |
3. Das Hakenkreuz im weißen Feld Auf feuerrotem Grunde Hat uns mit stolzem Mut beseelt Es schlägt in unsrer Runde Kein Herz, das feig die Treue bricht Wir fürchten Tod und Teufel nicht |: Mit uns ist Gott im Bunde :| |
<備考> |
[1.曲について] - 作詞者オットカール・ケルンシュトック(1848-1928, 右写真)[1]はカトリックの司祭をする傍ら、詩才に恵まれ幾つもの詩をのこしました。その代表作のひとつが前述のオーストリア国歌です。この国歌は、帝政時代の国歌「神よ、皇帝フランツを護らせ給え」の譜にあわせて歌われました。つまり、現在のドイツ国歌と同じ旋律だった訳ですね。 そしてこのケルンシュトックがのこした問題作が、ここに掲載した「鉤十字の歌」です。この詩は1923年、オーストリアとチェコのズデーテン地方で活動していた親ナチ組織「ドイツ国家社会主義労働者党」(DNSAP)に贈呈されたものでした。同党はこの歌を選挙戦に利用した為、ケルンシュトックはナチを嫌うカソリック関係者やキリスト教社会主義者から非難を受けます。 これに対してケルンシュトックは、「鉤十字を掲げる者がもともと念頭においており、そして勇敢なドイツ人ならば誰もが同意して宣言するような、理想的な目標にあたいするもの」(das den idealen Zielen galt, die ursprünglich den Hakenkreuzlern vorschwebten und mit denen sich jeder brave Deutsche einverstanden erklären musste)を書いたに過ぎない、と弁解しています。要するに、ドイツ人として当たり前のことを書いただけで、別に過激な思想を闡明した訳ではない、という事でしょう。事実、ナチのプロパガンダにありがちな反ユダヤ的な色彩はありません。歌詞もよく読めば、ただ愛国的な精神を述べているだけだとわかります。 - さて、ケルンシュトックは自身の詩が国歌に採用される前年の1928年にこの世を去ります。やがてその歌詞を採用した共和制オーストリアはドイツ第三帝国に併合され、国歌「無窮に祝福あれ」に代わって、この「鉤十字の歌」が大々的にプロパガンダに利用されてオーストリアに響き渡る事となります。泉下のケルンシュトックの思いはいかなるものだったのでしょうか。おそらく、後悔したと思いますが。 おそらく彼は愛国心を持つ宗教人の一人だったのではないかと思います。彼には国家社会主義組織も愛国者の集団に見えたのでしょう。そこで、自身の歌詞を提供した、というところではないでしょうか。 - <脚注> <参考関連文献> - [2.訳について] - [3.音源情報] ・音源はmp3のみ。 なんという豪華な陣容・・・ 皇紀2665年6月19更新 |
[訳文・解説] [原典・楽譜] |