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満州国国歌
(滿洲國國歌)
1933

作詞:鄭孝胥
作曲:高津敏、村岡楽童、園山民平

 

満語:
天地内有了新滿洲。
新滿洲便是新天地、
頂天立地無苦無憂。
造成我國家、
只有親愛竝無怨仇。
人民三千萬、人民三千萬、
縱加十倍也得自由。
重仁義尚禮讓
使我身修。
家已齊國已治
此外何求。
近之則與世界同化
遠之則與天地同流。
私訳:
天地の内に新満州は有り。
新満州は便ち是れ新天地なり。
天を頂き地に立ちて
苦なく憂ひなし。
我が国家は造成し、
只だ親愛のみありて怨仇なし。
人民は三千万なり、人民は三千万なり、
縦し十倍を加ふも、自ら由を得ん。
仁義を重んじ礼譲を尚びて、
我が身をして修めば、
家已に斉ひ、国已に治まりて
此の外に何をか求めん。
之を近くせば則ち世界と同化し、
之を遠くせば則ち天地と同流せん。

 

<備考>

[1.曲について]
 満州国第二の国歌。1933年の満州国建国と同時に制定されました。この前に鄭孝胥が作詞し、山田耕筰が作曲した「地開今天開...」で始まる国歌が用意されていたのですが、満州人に不評であったため改めて作り直されたという経緯があります。

 作詞したのは同じく国務院総理であった鄭孝胥。作曲は、満鉄音楽会の高津敏が満州在住の音楽家であった村岡楽童と園山民平に声をかけ、三人の共同によってつくられました。歌詞が日本語ではないので、作曲は随分苦労したようです。

 結果、完成したこの国歌は満州人にも受け入れられ、日本ではレコードにもされました。

 なお、1942年に新国歌が制定されたのちは「建国歌」と改称されています。

<参考文献>
坂本圭太郎 『物語・軍歌史音楽の中の戦いのうた』 創思社、1984年、439-442頁。

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[2.訳について]
 満語はわからないので適当。書き下しっぽいですが、微妙に変えてあります。

 ・「有了新滿洲」・・・たぶん「新満州できました」。倒置でしょうか。
 ・「造成我國家」・・・「我が国家を造成した」とも。上で倒置にしたのでこっちもそうしちゃいました。
 ・「縱加十倍也得自由」・・・「人口が十倍になっても問題なし」。
 ・「使我身修」・・・「重仁義,尚禮讓」が主語か。

 ・「近之則與世界同化,遠之則與天地同流」・・・『論語』に「子曰、唯女子與小人、爲難養也、近之則不遜、遠之則怨」。要するに、「女と程度の低い人間は、手をかけてやると調子に乗るし、放置すると怨みやがって扱いにくい」。たぶん文の構造は同じはず。

 ここでの意味は、「重仁義,尚禮讓,使我身修」とすることで、「家已齊,國已治」となった。満人はこれでみんな満足してる。このようなやり方を近くに施せば「與世界同化」し、遠くにまで及ぼせば「與天地同流」となる、ということでしょう。儒教的。

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[3.音源情報]
 ビクターの軍歌集に「満州国国歌」として収録。日本人による吹き込みですが、満語で歌っています。付属歌詞本に読み方付き。

A.U.C.2760年1月5日更新

 

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