縦ひ全てが背くとも(Wenn alle untreu werden) |
作詞:マックス・フォン・シェンケンドルフ(Max von Schenkendorf) |
| 1. 縦(たと)ひ全てが背くとも、 我ら猶ほも忠誠を保ちなば、 地の上 悠久に尽きせず 忠誠の小旗は閃かん。 我らが若人の輩(ともがら)よ、 より良き時代の象徴よ。 我らをして友愛と決死へと 挺身せしめる忠誠よ! |
1. Wenn alle untreu werden, so bleiben wir doch treu, Daß immer noch auf Erden für euch ein Fähnlein sei. Gefährten unsrer Jugend, ihr Bilder beßrer Zeit, Die uns zu Männertugend und Liebestod geweiht. |
| 2. 忠誠は我らより離(さ)かるゝはなく、 永久に辺(へ)にこそあらめ。 そはドイツの樫の如く鞏(かた)く、 月日の如く燦たり! いづれ忠誠は再び、 遍く兄弟らの心に輝きて、 愛と悔恨もて かの人ら 我らのもとへ還り来らん。 |
2. Wollt nimmer von uns weichen, uns immer nahe sein, Treu wie die deutschen Eichen, wie Mond und Sonnenschein! Einst wird es wieder helle in aller Brüder Sinn, Sie kehren zu der Quelle in Lieb und Reue hin. |
| 3. 忠誠の為めと 嘗て勇士ら 凛と闘へり。 斯くて凱歌は挙がれど、 悪魔は尚も姦計を弄すなり。 よしや時の流れ 如何に変はる事あるとも、 汝よ!我らを頽(すた)れしむる勿れ、 おお、光栄ある夢よ。 |
3. Es haben wohl gerungen die Helden dieser Frist, Und nun der Sieg gelungen, übt Satan neue List. Doch wie sich auch gestalten, im Leben mag die Zeit, Du sollst uns nicht veralten, o Traum der Herrlichkeit. |
| 4. 星辰(ほしぼし)よ 我らが証したれ、 粛と見下ろせる星辰よ。 縦ひ遍く兄弟ら 言挙げで 偽りの像を拝すも。 我ら かの言葉を堅持し、 伴に堕するなく、 説きて語り継がん、 この神聖なるドイツ帝国を! |
4. Ihr Sterne seid uns Zeugen, die ruhig niederschaun, Wenn alle Brüder schweigen und falschen Götzen traun. Wir woll'n das Wort nicht brechen, nicht Buben werden gleich, Woll'n predigen und sprechen vom heil'gen deutschen Reich! |
<備考> |
[1.曲について] - ところが、この曲自体は歌詞も旋律も第三帝国以前のものであって、ナチとの関係は全くありません。旋律は16世紀の古謡です。 歌詞は1814年、対ナポレオン戦争に際して愛国詩人マックス・フォン・シェンケンドルフがつくったもの。この時期は、ナポレオンに対抗していく中でドイツでナショナリズムが芽生え始めていた頃でした。したがってこの曲はドイツの若き愛国歌だといえるものです。忠誠の対象も未だ見ぬドイツ統一国家だと理解できます。 4番で「Reich」といわれているのは、統一国家をかつての神聖ローマ帝国に擬して想像していたのだと推測されます。 - 時はたってナチスの時代になり、この曲は再び「親衛隊の歌」として脚光を浴びることになります。忠誠を謳うこの曲は、「Meine Ehre heißt Treue」(わが栄誉は忠誠なり)が合言葉であった親衛隊にはぴったりの歌だったのでしょう。親衛隊のせいで汚名を被った作詞者の方、ご愁傷様です。 なお、この曲の旋律は現代のオランダ国歌にも使用されています。 <関連ページ> ・ドイツ藝術は不滅なり 「神聖ローマ帝国は滅んでも・・・」 <参考関連文献> - [2.訳について] なお、このドイツ語の歌詞は行が本来長いのですが(例えば、Wenn alle untreu werden, so bleiben wir doch treu,で一行)、表示の問題から途中で区切っています。 - 最後に、歌詞について。 まず一番。 Wenn alle
untreu werden, so bleiben wir doch treu, 一貫して「汝等」と呼ばれているものは、3・4聯目の「若人の伴侶」「より良き時代の象徴」「我らを男児の美徳と愛すべき死へと奉仕させるもの」でしょう。2聯目の「euch」もこれを差します。要するにこれらは、2番目に出てくる「Treu」のことを言っているのだと思われます。単数と複数の違いがネックですけども。 直訳するならば、「たとえ全てのものが背いても我らが変らず忠誠を持ち続けるならば、この地の上にいつも尽きることなく、汝等の小旗があり続けるだろう。汝等、すなわち我らが若人の伴侶よ!より良き時代の象徴よ!我らを男児の美徳と愛すべき死へと奉仕させるものよ!」 で、2番になると漸くこれが「忠誠」だとわかるという構造です。 - 2番。 Wollt nimmer
von uns weichen, uns immer nahe sein, おそらく、2聯目の「Treu」が主語ではないかと思います。「ドイツの樫のように堅固で、月日のように輝かしい忠誠は、我等より決して離れることはなく、我等の傍に常にある。」 3聯目の「es」は「Treu」をさしているのでしょう。「いつの日か忠誠は再びすべての同胞の心の中に光を放ち、同胞達は愛と悔恨をもって起源[生まれ故郷たる祖国]のもとへと還ってくるだろう」 - 3番。上段の「es」もおなじく「Treu」。ここでは目的語として。主語は「die Helden」。また、4番下段の「das Wort」(かの言葉)もまた、忠誠の事でしょう。 あくまで以上は私の解釈ですが、これまでの訳はこの点が不分明でしたので参考にどうぞ。間違いがあれば、ご指摘いただければ幸いです。 - [3.音源情報] 1.親衛隊吹き込みといわれるもの(mp3)。ウェブ上ではたまに1番のみ切り取って掲載しているケースがありますが、本来は1番、2番、4番の吹き込みです。 2.もうひとつは第三帝国時代に吹き込まれたことが確実であるもの(mp3)。なぜなら、最後に「vom heil'gen dritten deutschen Reich!」(神聖なる第三のドイツ帝国を!)と述べているから。ちょっと無理やり感がありますけども。この音源はSIEG様よりいただきました。いつもありがとうございます。 戦後のものとしては、幾つか市販CDに収録されています。元来はナチと無縁だからですが、中にはネオナチが歌唱したものもあったり。 ウェブで公開されているものもあります。その中のひとつを紹介。こちらのページからダウンロードできます。戦後吹込みで、全番歌い上げです。 皇紀2665年5月14日更新 同月21日追補 |