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脆い連中が戦慄する
Es zittern die morschen Knochen
分類:政治運動の行進歌(Marschlied der Bewegung)
1932

作詞・作曲:ハンス・バウマン(Hans Baumann)

 

音源

mp3
1.
共産主義者の戦争に直面して、
世界の脆い連中が戦慄する。
我等はその驚愕を撃ち砕いた、
これぞ我等の偉大な勝利。
(繰り返し)
1.
Es zittern die morschen Knochen
der Welt vor dem roten Krieg,
wir haben den Schrecken gebrochen,
f
ür uns war's ein großer Sieg.
Kehrreim.
(繰り返し)
我等は更に行進する、
たとえ全てが崩れ去ろうと。
今日はドイツが、明日には世界が
我等の声を耳にするのだから。
Kehrreim:
Wir werden weiter marschieren
wenn alles in Scherben f
ällt -
denn heute, da h
ört uns Deutschland
und morgen die ganze Welt.
2.
そして闘争の末に全世界は
瓦礫の中で群れをなしている。
だがそれが何だというのか、
我等が再び建設するのだ。
(繰り返し)
2.
Und liegt vom Kampfe in Tr
ümmern
die ganze Welt zuhauf,
das soll uns den Teufel k
ümmern,
wir bauen sie wieder auf.
Kehrreim.
3.
老人どもが罵ろうとも、
暴れて叫ばせておけばよい。
いくら我等に逆らおうとも、
我等は勝者となるだろう。
(繰り返し)
3.
Und m
ögen die Alten auch schelten,
so la
ßt sie nur toben und schrei'n,
und stemmen sich gegen uns Welten,
wir werden doch Sieger sein.
Kehrreim.
4.
彼等にはこの歌が理解できない。
隷属と戦争を思うのだから。
そうする間にも田園は実る、
自由の旗よ、翩翻と閃け!
4.
Sie wollen das Lied nicht begreifen,
Sie denken an Knechtschaft und Krieg
Derweil unsre
Äcker reifen,
Du Fahne der Freiheit, flieg!
我等は更に行進する、
たとえ全てが崩れ去ろうと。
ドイツに自由は聳立し、
明日には世界が自由となる。
Wir werden weiter marschieren,
Wenn alles in Scherben f
ällt;
Die Freiheit stand auf in Deutschland
Und morgen geh
ört ihr die Welt.

Quelle: Morgen marschieren wir. Liederbuch der deuschen Soldaten(1939)

 

4.
湿地や山野で
敵の憎悪が溢れても、
我等は両手にしっかり唾かけて
スコップの柄を握るのだ。
4.
Doch wird uns in Moor und Gelände
der Ha
ß der Feinde zuviel,
dann spucken wir fest in die H
ände
und greifen zum Spatenstiel.
我等は更に行進する、
たとえ全てが崩れ去ろうと。
今日はドイツが、明日には世界が
我等の声を耳にするのだから。
Wir werden weitermarschieren
wenn alles in Scherben f
ällt -
denn heute, da h
ört uns Deutschland
und morgen die ganze Welt.
5.
奴等にはこの歌が理解できない。
隷属と戦争を思うのだから。
そうする間にも田園は実る、
自由の旗よ、翩翻と翻れ!
5.
Sie wollen das Lied nicht begreifen,
sie denken an Knechtschaft und Krieg,
derweil unsre
Äcker reifen.
Du Fahne der Freiheit, flieg!
我等は更に行進する、
たとえ全てが崩れ去ろうと。
ドイツに自由は聳立し、
明日には世界が自由となる。
Wir werden weitermarschieren,
Wenn alles in Scherben f
ällt;
Die Freiheit stand auf in Deutschland
Und morgen geh
ört ihr die Welt.

Quelle: Singend wollen wir marschieren.
Liederbuch der Reichsarbeiterdientes(o.J.)

 

(繰り返し)
我等は更に行進する、
たとえ全てが崩れ去ろうと。
今日はドイツが、明日には世界が
我等のものとなるのだ。
Kehrreim:
Wir werden weiter marschieren
wenn alles in Scherben f
ällt -
und heute geh
ört uns Deutschland
und morgen die ganze Welt.

Quelle: Macht keinen Lärm(1933)

 

<備考>

[1.曲について]
 党歌「ホルスト・ヴェッセルの歌」と並ぶほど有名とされているナチスの闘争歌です。しかし広く人口に膾炙された為、様々な歌詞が発生してしまいました。研究書[1]を頼りにしつつ、順に歌詞の変化を追って生きたいと思います。

 以上では音源を重視して、もっともこの音源の歌詞に近いものを最初にあげ、もっとも多く異文を含むものを次にあげました。最後は初出(1933)の繰り返し部です。できるだけ異文を掲載しようという趣旨での措置ですが、かえって見難くなってしまったかもしれません。より詳しく異文を知りたい方は以下にあげた参考文献をご覧下さい。

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【初出と「繰り返し」】 この闘争歌は1932年に作詞・作曲されたともいわれますが[2]、文献上の初出は1933年のようです[3]。この時点で歌詞は2番のみでした。繰り返し部分は「Und heute gehört uns Deutschland...」となっていました。

 この繰り返し部分をめぐっては、最初「Und heute da hört(ドイツと世界が我等の声を聴く)だったものをナチが意図的に「Und heute gehört(ドイツと世界は我等のもの)に変えたという説があります。確かにそういった事もあったでしょうが[4]、作詞者のバウマン自身が当時から両方の歌詞を使用している為、どちらが原詩だったかは判別が難しいところです。

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【歌詞の転用】 歌詞の意味はいまいち掴み難いものの、どうやら共産主義勢力の伸張を前に動揺する議会政治をよそにして、ナチスが共産主義を撃ち砕いて更に勝利へ向けて進撃する、といった内容のようです。

 このように闘争歌にありがちな直接的な言葉を用いず、「骨」や「戦争」といった間接的な言葉を使用している為、別の分野の歌にたやすく転用されることになったのでしょう。

 例えば、ヒトラーユーゲントであり、帝国勤労奉仕団といったナチの組織です。奉仕団バージョンの歌詞は上に掲載しました。他には、国防軍の歌にも使われています。最初に掲載した歌詞の典拠である1939年の歌集は、国防軍の命令によってバウマンが著したものです。

 題名についても、「勝利の歌(Siegeslied)」、「我等は更に行進する(Wir werden weitermarschieren)」など多くの用例が見られます。ただ一番多いのは、「Es zittern die morschen Knochen」でしょう。

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【ハンス・バウマンについて】 作詞者・作曲者のハンス・バウマンは、1914年生まれの詩人です。1907年生まれのホルスト・ヴェッセル、1901年生まれのハインリヒ・アナッカーなどと比べ、彼は作詞者としてかなり若い世代に属していました。

 彼は戦後に著した児童文学によって、むしろ今では児童文学者、青年少年文学者として有名になっています。しかし、1934年にヒトラーユーゲントの指導者についていた他、第二次世界大戦勃発時には少尉として軍歌集の製作にかかわるなどの幾つかの黒い過去があります。この闘争歌もその最たるものでしょう。1941年にはディートリヒ・エッカルト賞を受賞しています。

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<脚注>
[1] Hillescheim, Jürgen & Michael, Elisabeth Lexikon nationalsozialistischer Dichter. Biographien - Analysen - Bibliographien Würzburg: Konigshausen und Neumann, 1993.
[2]
独語Wikipedia情報。
[3] Hillescheim & Michael(1993), S.41.
[4]
コルドン, クラウス 『ベルリン1933』 酒寄進一訳 理論社、2001年、444頁。

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[2.訳について]
 ホルスト・ヴェッセルの歌についで日本でもよく紹介される曲ですが、訳者の方によって題名ひとつとっても様々な訳が誕生しています。ここで私の知っている限りのものをあげてみます(敬称略)

・「脆弱なやつは震える」 『ヒトラー・ユーゲント(平井正著、2001)202頁。
・「腐った骨の歌」 『ベルリン1933(酒寄進一訳、2001)274,367頁。
・「もろい骨が震える」 『第三帝国と音楽家たち(明石政紀訳、2003)164頁。

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[3.音源情報]

mp3
帝国勤労奉仕団音楽隊(合唱つき)
指揮:上級軍楽長ヘルムス・ニール
グラモフォンE1938329日、ベルリン

Reichsmusikzug des Reichsarbeitsdienstes
Dirigent: Obermusikzugf
ührer Herms Niel
mit Chorgesang
Grammophon E
Berlin, 29.03.1938

皇紀2665年8月26日更新