西洋軍歌蒐集館軍歌CDレビュー

がんばろう!!決定盤 日本の労働歌ベスト

がんばろう!!決定盤 日本の労働歌ベスト
販売:キング、2001年
総合評価:★★★★
音源評価:★★★
希少性:★★★★★
〈曲目〉

1. 富の鎖(社会主義の歌)
2.
革命歌
3.
赤旗の歌(ドイツ民謡)
4. 聞け万国の労働者(メーデー歌)
5. インターナショナル
6. くるめくわだち(ドイツ民謡)
7. ワルシャワ労働者の歌(ロシア革命歌)
8. コンミュニストのマルセーズ
9. 小さい同志
10. 鐘が鳴れば(ソビエト同盟赤衛軍軍歌)
11. 晴れた五月

12. 町から村から工場から
13. 世界をつなげ花の輪に
14. 若者よ
15.
民族独立行動隊の歌
16. 祖国の山河に
17. 原爆を許すまじ
18. しあわせの歌
19. がんばろう
20. 心はいつも夜明けだ
21. たんぽぽ
22. 勝利をわれらに
-We shall overcome

〈レビュー〉

 このCDは単品として手に入る労働歌のCDとしては現代唯一のものです。歌の範囲は戦前から戦後70年代に及びます。80年代以降、労働運動は勢いを失いましたから、ほぼ労働歌としては全範囲を収めているといっていいと思います。それゆえ、史料価値としては一級モノ。

 録音はすべて戦後録音。収録曲の約半分がこのCDの為の新規の録音です。合唱団による吹込みが多いですが、多少垢抜けない録音があります。それと伴奏のないアカペラの割合が多いことも注意が必要です。ただし優れた録音もあるので、録音の水準としては半々といったところでしょうか。

 収録曲について。全体としてみると、前半は古めかしい表現と軍歌調の曲目、後半は今日の歌謡曲に近い歌詞と曲調をもった曲目が並びます。前半はどちらかというと鬱屈した、攻撃的な歌詞とメロディが目立ちますが、逆に後半は明るい曲、言い方によっては労働歌としては特徴に乏しい曲が多くなります。分量としては同等といってよいでしょう。

 労働歌として世界的にも著名なものとしては「インターナショナル」「ワルシャワ労働歌」があげられます。録音もきわめて優秀であり、このCDの中では白眉です。

 替え歌について言及しておきますと、「富の鎖」は軍歌「日本海軍」、「革命歌」は寮歌「ああ玉杯に花うけて」、「聞け万国の労働者」は寮歌「アムール河の流血」(=軍歌「歩兵の本領」)、「コンミュニストのマルセイエーズ」はフランス国歌、とそれぞれ対応しています。

 結論。「労働歌とはどんなものか知りたい」や「歴史の一幕が見たい」という人には買いといってよいでしょう。軍歌趣味の延長として買う方も、損はしないといえます。録音に多少不満が残りますが、なにしろ比較対象がないのでどうしようもありません。なお、かなり簡潔ながら各曲の解説もついていますので、参考になります。

皇紀2665年9月1日amazon.co.jpに投稿

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