西洋軍歌蒐集館軍歌CDレビュー

軍歌・戦時歌謡大全集6/戦時歌謡4

軍歌・戦時歌謡大全集6/戦時歌謡4
販売:コロムビア、1995年
総合評価:★★★★
音源評価:★★★
希少性:★★★★★
〈曲目〉
1. 空の軍神 (藤山一郎)
2.
みたから音頭 (霧島昇菊池章子)
3.
戦果はラジオで(楠木繁夫)
4.
みなみのつわもの (伊藤久男)
5. 国民歌 山本元帥
(酒井弘)
6. 海を行く歌
(伊藤久男)
7.
アッツ島血戦勇士顕彰国民歌(波平暁男,伊藤久男,伊藤武雄)
8. 学徒は今ぞ空へ征く (
伊藤武雄)
9. 若鷲の母
(笹田和子)
10. 撃ちてし止まん
(霧島昇)
11. 女子挺身隊の歌~輝く黒髪
(千葉静子)
12. この仇討たん
(高峰三枝子)
13. 勝利は翼から (波平暁男,近江俊郎,高倉敏,奥山彩子,渡辺和子,奈良光枝,真木絢代)
14.
敵の炎 (伊藤久男、楠木繁夫)
15.
サイパン殉国の歌 (木下保千葉静子)
16.
サイパンに誓う (高倉敏、奈良光枝)
17. あゝ紅の血は燃ゆる (酒井弘、安西愛子)
18. 一億総進撃の歌
(伊藤武雄、佐々木成子)
19.
復仇賦 (波平暁男)
20. かくて神風は吹く (高倉敏、近江俊郎)
21. 台湾沖の凱歌 (近江俊郎、朝倉春子)
22. フィリピン沖の決戦 (
伊藤武雄)
23. 比島決戦の歌 (コロムビア合唱団)

〈レビュー〉

 コロムビア「戦時歌謡」集の4枚目。内容は大東亜戦争後半の曲。その為、3枚目と打って変わって暗いか、底抜けに明るいかという両極端な曲目です。

 とはいうものの、このCDほど隠れた名曲が多いCDもないのです。この「戦時歌謡」4枚のなかでは、もっとも優れた音盤でしょう。曲目を見れば確かにマイナーなものが殆どでしょうが、一度聴いてみれば、有名な歌曲に匹敵する録音が目白押しです。言わばこのCDは日本の戦時歌謡、最期の華なのです。

 では具体的に。「国民歌 山本元帥」は山本GF長官戦死に際してつくられた追悼歌。山本元帥追悼歌としてはもっとも秀逸なものでしょう。何故か凄く明るい曲調。「海を征く歌」は格調高い名曲。この曲は比較的著名。「アッツ島血戦勇士顕彰国民歌」は、アッツ島玉砕に対して作られた悲壮な曲で、歌詞のほとんどが当時の大本営発表によっているのですが、今日、実際の戦況を知りつつ読むと何とも悲惨な感じを受けます。

 「敵の炎」は超マイナー曲ですが、この録音は卓抜です。米軍の本土爆撃に対して「これに屈するものか、いずれ米本土にも爆撃してやるぞ」という過激な歌詞を、伊藤久男と楠木繁夫の2人が絶妙に歌い上げています。「台湾沖の凱歌」は、戦争末期に敵の空母を何隻も撃沈という大本営の虚報がそのまま戦時歌謡になってしまったとんでもない曲。凄まじく明るい曲です。「フィリピン沖の決戦」も明るすぎて逆に悲惨さが伝わってくる歌。

 なお、最後の「比島決戦の歌」だけは戦後録音。これはこの全集を編集する時に新規に録音されたものですが、「いざ来いニミッツ マッカーサー」と言いたいだけの曲です。遊びみたいなものですね。まあ、ネタにはなります。

皇紀2665年7月17日amazon.co.jpに投稿

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