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終戦の詔勅・玉音放送
1945年8月15日放送
皇紀2665年11月20日更新

演説:昭和天皇

 

音源

mp3
 朕深ク世界ノ大勢ト帝国ノ現状トニ鑑ミ、非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ収拾セムト欲シ、茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク。朕ハ帝国政府ヲシテ米英支蘇四国ニ対シ、其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ。

 抑々帝国臣民ノ康寧ヲ図リ万邦共栄ノ楽ヲ偕ニスルハ皇祖皇宗ノ遺範ニシテ、朕ノ拳々措カサル所。曩ニ(*1)米英二国ニ宣戦セル所以モ亦、実ニ帝国ノ自存ト東亜ノ安定トヲ庶幾スルニ出テ、他国ノ主権ヲ排シ領土ヲ侵スカ如キハ固ヨリ朕カ志ニアラス。然ルニ交戦已ニ四歳ヲ閲シ、朕カ陸海将兵ノ勇戦、朕カ百僚有司ノ励精、朕カ一億衆庶ノ奉公、各々最善ヲ尽セルニ拘ラス、戦局必スシモ好転セス、世界ノ大勢亦我ニ利アラス。加之敵ハ新ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ頻ニ無辜ヲ殺傷シ、惨害ノ及フ所真ニ測ルヘカラサルニ至ル。而モ尚交戦ヲ継続セムカ、終ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招来スルノミナラス、延テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ。斯ノ如クムハ朕何ヲ以テカ億兆ノ赤子ヲ保シ、皇祖皇宗ノ神霊ニ謝セムヤ。是レ朕カ帝国政府ヲシテ共同宣言ニ応セシムルニ至レル所以ナリ。

 朕ハ帝国ト共ニ終始東亜ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ対シ、遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス。帝国臣民ニシテ戦陣ニ死シ職域ニ殉シ非命ニ斃レタル者、及其ノ遺族ニ想ヲ致セハ、五内為ニ裂ク。且戦傷ヲ負ヒ災禍ヲ蒙リ家業ヲ失ヒタル者ノ厚生(*2)ニ至リテハ、朕ノ深ク軫念スル所ナリ。惟フニ今後帝国ノ受クヘキ苦難ハ固ヨリ尋常ニアラス。爾臣民ノ衷情モ朕善ク之ヲ知ル。然レトモ朕ハ時運ノ趨ク所、堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ、以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス。

 朕ハ茲ニ国体ヲ護持シ得テ、忠良ナル爾臣民ノ赤誠ニ信倚シ、常ニ爾臣民ト共ニ在リ。若シ夫レ情ノ激スル所濫ニ事端ヲ滋クシ、或ハ同胞排擠互ニ時局ヲ乱リ為ニ大道ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ如キハ、朕最モ之ヲ戒ム。宜シク挙国一家子孫相伝ヘ確ク神州ノ不滅ヲ信シ、任重クシテ道遠キヲ念ヒ、総力ヲ将来ノ建設ニ傾ケ、道義ヲ篤クシ志操ヲ鞏クシ、誓テ国体ノ精華ヲ発揚シ、世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ。爾臣民其レ克ク朕カ意ヲ体セヨ 。

*1「曩ニ」・・・玉音放送では「朕」となっている。
*2「者ノ厚生」・・・玉音では「ノ」が欠。

なお旧字は新字に改め、適宜句読点を打った。段落分け、仮名遣いは原文のまま。

 

<備考>

[1.音声について]
 有名な8月15日の玉音放送です。ポツダム宣言の受諾決定を受け、前日の14日に収録されました。詔書の作成も急なためか、一部の決まり文句を除けば、かなり率直な表現が使われています。一般には「難しい」だとか「意味不明」だとか言われがちですが、よく読めばそれほど難渋な文章ではないと思います。

 ちなみに玉音放送についてその独特な抑揚を指摘される事も多いですが、これは特別にこう発音したのではなくて、昭和天皇本来の発音の仕方がこうなのだと思われます。実際幾つか戦後の音声が残っていますが、みなこんな発音となっています。

<参考関連文献>
開戦の詔書―大日本帝国憲法・教育勅語・大本営発表・ポツダム宣言・終戦の詔書

 

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