トップページに戻るテキスト一覧に戻る

2665年11月24日

◇『映像の世紀』というプロパガンダ

 NHKの『映像の世紀』が暫く売り切れ状態になっていましたが、明日から再販されるようです。これみるとNHKなくしちゃいけないんだと思ってしまう。(笑)民放にはこの硬派なドキュメンタリーは無理ですからね。フジや日テレだったら莫迦な芸能人が出てきて素っ頓狂なコメント挟みそうですし、テレ朝やTBSだったら怪しげな評論家が出てきて「戦争せきn(ry」とかいうのが目に見えてますから。

 このシリーズ一番のお奨めはなんといっても「第4集 ヒトラーの野望」。ヒトラーの映像がてんこ盛りです。和訳つきの演説や、カラーのものまで。これ放送したのをあの酒鬼薔薇聖斗が見て感動したらしいw 

 しかし今見てみるとこの「ヒトラーの野望」は結構微妙なんですよね。感動に欠けるって意味じゃなくて、この「ヒトラーの野望」の映像はレニ・リーフェンシュタールもびっくりなほど映像と音声を切り貼りしているんです。

 リーフェンシュタールが伯林五輪のドキュメンタリーをつくる際に、その五輪当日の映像が気に食わなかったから競技者にあとから別に演技させて、それを当日の映像としてつかったのは有名な話ですけど、この映像の世紀も結構これに近いことやってるんですよね。

 例えば『意志の勝利』の映像と音声をばらばらにして、勝手にくっつけて放送してみたりなど。この『意志の勝利』は有名なプロパガンダ映画ですけど、今から見るとけっこう野暮ったいというか、退屈なところもあるんです。そこをNHKの編集者が「どうすれば人々を引きつけたヒトラーの姿を描けるか」と考えたのか、現代から見れもそれなりに退屈させない映像に仕立て上げたというわけです。

 ですので「映像の世紀」も注意してみる必要があるかもしれません。『意志の勝利』なんてのは過去の遺物ですからね、実はそんなたいしたことないわけです。でも現代における一件ドキュメンタリーを装っての映像の改変には注意しなきゃいけないでしょう。

-

参考

NHKスペシャル 映像の世紀 SPECIAL BOX 全巻セット。昔学校の図書館でこれみてたな・・・(黒歴史)

民族の祭典 伯林五輪の記録。リーフェンシュタール監督。
美の祭典 上記作品の第二部。
回想〈上〉 リーフェンシュタールの回想。プロパガンダ映画は「仕方なくつくった」そうです。

-

テキスト一覧に戻る

トップページに戻る